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令和2年 東京都立産業技術研究センター公募型共同研究
天然素材の活用による地球にやさしい食品容器の商品化
オリンピックなど野外イベントでの使い捨てプラ食器の削減を目指して、天然素材を活用したプラスチック代替材料を開発しました。
私たちは、野球バットの廃木粉をアップサイクルしたバイオマス樹脂の開発に取り組みました。木粉を混合したプラスチックは多く存在しますが、配合率が20%程度と低く(石油成分が多い)、精度が低く、質感も低い=表面が汚く安っぽい問題がありました。
その原因は、木粉の流動性の低さにありました。私たちは、廃木粉に化学物質を使わない特殊な熱加工を施して繊維を液状化することで、木粉の流動性を飛躍的に上げることに成功しました。
この加工により、木粉80%以上の射出成形材料の開発に成功しました。この高い流動性は、精度も高く、表面の質感にも高級感を与えることができました。
天然素材である「木粉」は高精度かつ高品位の成形が困難でした。
本研究では、木粉に特殊な熱加工を行い流動性を大きく向上。
木粉率80%以上の射出成形(試作)にも成功しました。
通常、試作では高い配合ができても量産できない物がほとんどです。
私たちは木粉にデントコーン由来の生分解性樹脂をハイブリッド。
量産レベルでもバイオマス度70%、木粉51%以上を安定して実現。
これまでにない高バイオマスの量産技術の開発に成功しました。
※特殊加工には、環境汚染の原因となる化学薬品などは一切使用しておりません。
※現在、特許取得準備中です。
木粉への特殊加工の副効果として、まるで漆器を思わせる高い品質感を実現。
これまで困難であった高級品への対応も可能になりました。
大日本塗料株式会社様と、天然素材に適した生分解性コーティング塗料を開発しました。バイオマス材料は成形時の加熱により臭気を発してしまします。製品化するためには、この臭気を脱臭+ブロックするコーティングが求められます。生分解性材料へのコーティングのため、コーティングも生分解性であることが理想です。
この生分解性コーティングは、一定期間に臭気バリア効果を発揮した後に生分解するという、相反する困難な条件を克服することに成功しました。もちろん、食器に使用可能な安全性をクリアしております。今後、需要拡大が見込まれる生分解性の環境配慮型製品への活用を目指しています。
大日本塗料株式会社
共同研究成果品(試作品)